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zoom RSS 秘宝館用 サンプル

  作成日時 : 2008/11/14 21:48   >>

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秘宝館SS御依頼の参考用サンプル

尚、登場する人物、人物、設定他
現実の出来事は勿論の事、アイドレス上の設定には関係ありません。



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 時期はシーズンオフも半ば、所は共和国環状線キノウツン藩国駅にて、降り立った男は名を桜城キイチと言った。

オールバックに黒縁眼鏡、ダブルのスーツ、と風貌に奇異な所はなかった、が
口元がにやけていたヨダレを垂らしそうな勢いだった。メイド好きに付き注意、そういう顔をしていた。

あまりにメイド好きすぎて、キノウツンにやって来たこの男。
メイドなら詩歌とか土場に行けばいんじゃね?と言う声もあったが、猫じゃないとやだと駄々をこねた。



/*/



「メイドさん……ニヤニヤ」
行き交う人々が目を合わさないように顔を逸らして通り過ぎていく

そんな中にも拘らず。
「お帰りなさいませ、キノウツンに!」
あからさまに怪しい人物にも満面のスマイルで出迎える職員達、否、メイド達。流石はプロ、脅威の対応力であった。


「お帰りなさいませキノウツンに、観光でございますか?」
列の中から一人のメイドが前に出て丁寧なお辞儀をしながら言った。


「いえ、入国申請と国民登録をお願いします!桜城キイチと申します!」


「まぁ!それはそれは、ありがとうございます」
パンパンと手を叩くと一人の猫士が花束を持ってやって来た。
身体が隠れる程の大きな花束を抱えて、トテトテと歩いて来る猫士。身長差があるので、桜城が中腰になって受け取ろうとした。


瞬間


猫士の目が、キラリそしてキュピンと光り、獲物を前にした獣のそれへと変わった。
「シャー!!」
掛け声と同時に猫士は花束を桜城の顔面に叩き付けると、よろめいた膝を踏み台にして飛び上がった。
身体を捻り渾身の回し蹴りを放つ。猫士特有のしなやかなバネが生み出す高速の踵が側頭部を捉えた。
ゆっくりと崩れ落ちて行く桜城を尻目に、華麗に一回転して着地する猫士。
ゆらゆらと尻尾を揺らしながら掌(肉球)を前に出す構えを取る。


「猫柔術が秘伝、ニャイニング・ウィニャード…我らは体格差など問題としニャイ」


痛みと突然の出来事に動転し@@する桜城だった。
「一体…何が、え?」
なんとか顔を上げると、いつの間にか自分を猫士とメイドが囲んでいた。


「目的はニャンだ!?答えるニャン!」
シャーと威嚇しながら凄い剣幕で問い詰めてくる。


「目的…って、ですから国民に  ゲッフ!!」
まだ言い終わらない内に軍靴によるストンピングを食らった。


「入国?この時期に?このタイミングで?怪し過ぎるニャろJK」
「これ以上…この国に何をしようと言うんだ!クウゥゥゥゥリィンガアァァァァァァン!!!」


容赦の無い猛攻、小柄な猫士とはいえ数が揃うと中々の威力があった。
「え?いや、イタッ!タイミングとか言われtイタイイタイイタイ」
「待って下さい!何ですこの扱いは!責任者を呼んで下さい!」


一瞬、辺りがしんと静まりかえった。


「責…任者?青狸さんの…青狸さんのことかあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「にゃあああああああああああ!!!」
突然の絶叫、慟哭、直後レシーブの様な動作でもう一人の猫士を跳ね上げた。
跳躍した方の猫士は空中で前転すると、桜城の顔へ跨がるようにして足で頭を挟む。
そのまま後ろに倒れ込み、勢いと重力でもって引き倒した。
地面へと吸い込まれるように、頭を打ち付ける桜城。


「猫柔術が秘奥義、フニャンケン・シュタイニャー・・・もう一度言う、体格差ニャど問題としニャい」


拳(爪収納済)を握りしめ、震わせながら睨み付ける。
「青狸さんは!!テメェらが!爆破したんだろうがぃ!!!!!」
「これ以上…この国に何をしようと言うんだ!クウゥゥゥゥリィンガアァァァァァァン!!!」


何やら逆鱗に触れてしまったようだ、一同沈痛な面持ちでストンピング祭りが再開された。
なんという集団リンチ、ご主人様(お客様)には最高のお遇しを、狼藉者には血の粛清を、これがキノウツンクオリティ。
止まないストンピング、上がるテンション、ボルテージは最高潮。



「全く…何やってんの!アンタ達は!!」
騒ぎの中、喫茶室から肩に白猫を乗せたメイドが出てきた。


「ニャ!?メイド長!?青狸さんの敵ニャ!クーリンガンの手の者ニャ」
「これ以上…この国に何をしようと言うんだ!クウゥゥゥゥリィンガアァァァァァァン!!!」


はぁ、と溜息をつくメイド長。
「大法官殿なら無事だよ、フィーブルで保護されてるってさ、今ニュースでやってる」


「ホントニャ!!ニャッホォォォォォウ!!」


「大体ねー、自爆ならとっくに爆発してるし、ゾンビだったら匂いや体温、呼吸でわかるっしょ」


「その発想はニャかった…」
「ニャハハハ、ドン☆マイ」


「事情はわかりませんがどうやら助かったようですね……て、アレ」
痛む身体でどうにか起き上がろうと、おそるおそる顔を上げると、目に入ったのは差し伸べられた手、ではなく銃口だった。
メイド長の手に握られた拳銃が、鼻先に突き付けられていた。



「で?アンタの目的は?ゾンビでも人間爆弾でもないとはいえ、怪しい事には変わらないんだ」


「あ、怪しいって…何を根拠に」


「列車から降りて来た時の顔。アレが怪しくないってんなら、世の中の大概は怪しくなくなるよ」



迂闊!!実に恐ろしきは人の欲望か、こうなったら正直に話すしかないのだが、しかし紳士として魂のランクが低い桜城には、メイドさんを目の前にして「メイドさん大好きなんで来ました」等と言えるわけもなく。


「じ、実はワタクシ執事を目指しておりましてデスネ藩国にはふみこ女史がいらっしゃるとの事!ならば!かの高名なミュンヒハウゼン氏にデスネ師事を頂けないかと思いまして!ええハイ」


気が動転してとんでもない嘘を口にした、実に説得力がない。


「まったく、往生際の悪い男……お願い」
メイド長が合図をすると、肩に乗っていた猫が飛び降りた。
と桜城に顔を寄せ、頬を舐めた。頬を撫ぜるザラリとした温かい感触。
「ペロッ、コレは嘘を吐いている味ニャぜ」



「っ!!!??」



「私はね?政治をしているんじゃない、質問をしているの、だから建前はいらない、猫に建前は無い」


心を決めるしかなかった、もう後が無い、と言うか話が終わりそうにないので観念した。
「わかりました…」
一呼吸してから一気に語りだす。
「メイドさんが大好きだからです!メイドさんと同じ職場で働きたくて!メイド好きを拗らせてキノウツンにやって来ました!!」


静まり返る構内、数瞬の沈黙の後、ゆっくり離れて銃をしまうメイド長。
「初めっから素直に言えば良いのよ」


それを合図にしたかの様に拍手が沸き上がる。
「「ナイス紳士!」」「「ナイス紳士!」」「「ナイス紳士!」」「「ナイス紳士!」」
「「ナイス紳士!」」「「ナイス紳士!」」「「ナイス紳士!」」「「ナイス紳士!」」「「ナイス紳士!」」


「え?信じて頂けたんですか?」
あまりの呆気なさに呆然、キョトンとする桜城。


「心からの言葉を聞いたからね、それに目を見ればわかるよ、ウチの国には同じ目をしたヤツが沢山いるから」
意味はわからなかったが、それ以上聞かない方が良い気がした。



/*/



「これから宜しくニャ兄弟!!」
パシリと背中を叩かれて、握手を求められたので取り敢えず応じた。
「猫缶食うニャ猫缶」
「よし、フロ行きましょうフロ」
先程までと打って変わってフレンドリーな一同であった。


微笑みながら見守っていたメイド長だが、そろそろ次の列車が到着する時間だった。
「ほらほら、それ位にしてみんな仕事に戻って!」



それぞれの持ち場に散っていく職員達。
「またニャー ノシノシ」


「桜城くんはコッチ、書類手続きしなくちゃね」
メイド長が手を取って、と言うか桜城の腕に抱きつく様にして引っ張った。



温かく…柔らかい…感触…グイグイギュウギュウと押し付けられる。
むにゅむにゅ、ポヨポヨと柔らかかった、否、柔らか過ぎた。
薄手のメイド服とはいえ柔らか過ぎた、この感触っ!おそらくは…着 け て い な い !!
ならば!!目を凝らしたならば!!或いはっ!!





……失礼、取り乱しました。





「あ、あの、その、当たって…」
「ん、当ててんのよ」


走る衝撃。
「ここで!デレたーーーーーーーーーー!!!」
「よもやの!メイド長のデレっ!!!!」
「いつになっても誰もデレないからどうしようかと思ったニャ」
驚き仰け反る猫士連中。



「デ……レ?と言う事は…」


と、ここでネタバラシ。
そう列車を降りてからの騒動、それら全て“ツン”だったのだ!!駅職員総出のツンデレ行為で歓迎っ!実に恐ろしきキノウツンクオリティ。


唖然とする桜城、歓迎にしても手荒すぎると、不満げな表情。
「まぁまぁ、怒らない怒らない、サービスするから、ね?」
ポケットから取り出した猫缶を渡された。
些か腑に落ちない、何より身体中の痛みは猫缶程度では “グイグイギュウギュウ” 気にならなかった。



/*/



たまにはツンデレも良いか、とだらしなく鼻の下を伸ばして引かれて行く途中、向かい側から子供を連れた一人の男が歩いて来た。
すれ違う瞬間にボソリ、と呟かれる。
「良いのか、キノウツン紳士の道は険しい、修羅の道だよ」


「っ!!!?」
異様な存在感、格の違うプレッシャーに背筋が凍る、足を止め振り向くが男は既にいない。
雑踏の中、視界の隅にスカーフが見えた気がした。



「どしたの?」
「いえ…何でもないです」
今はそんなことよりも腕の感触、否、入国手続きの方が先決。そう考えると、それきりで男の事を考えるのを止めた。


後日、男とは再会を果たすのだが、それはまた別の話。



/*/



入国早々、手荒い歓迎を受けたが、これもお国柄と思えば我慢できる、これから自分はこの国でやって行くのだ、慣習を知り慣れなければならない。
上手くやっていけるか不安もあるが、とにかく頑張ってみよう。
さてキノウツンの皆さん、これから宜しくお願いしますということで一つ。

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